第1回は

1/2

連携の判断は「この企業と」より「この人と」

――これからは会場の参加者との一問一答に移りたいと思います。

質問者1現在、大企業で情報システムのプラットフォームをつくる新規事業開発の仕事をしています。今後、新しく事業をつくっていくためには、大企業独自ではなく、スタートアップの力を借りていく姿勢が大事になってくると考えていますが、企業としての立場も文化も価値観も違う大企業とスタートアップが共存していくために信頼関係を築くコツがあれば教えてください。

森岡私自身はスタートアップにマナーなど存在しないと考えていて、メチャクチャであることがいいところだと思っています。

ただ、大企業側が絶対にやるべきでないことがあるとすれば、「俺たちは大企業だ」という横柄な態度で接することです。社名を敢えて言わないくらい低姿勢であることが、何よりも大事ではないでしょうか。

___July_19_001森岡康一/Supershipホールディングス代表取締役社長CEO

まずは信頼関係を築くことが重要で、相手も心理としては「この企業と」というより、「この人と」という思いが強いはず。「あの人にならついて行きたい」と思ってもらえるようなアプローチが効果的ではないでしょうか。

質問者1熱量なども大事になってくると思います。ただ、スタートアップとの関わりのなかで、考えのスケールや熱量で相手の社長に圧倒されることもあり、どのように接すればいいのか迷うときがあります。

森岡熱量は大事ですが、それは自分自身で持つしかないものです。大企業がスタートアップの熱量に合わせることまでは、しなくていいとは思います。

「あなたたちからはすごい熱量を感じるので、ぜひその熱量を私たちにわけてください」と、相手が持っている熱量の重要さを伝えることが大切です。

とはいえ、熱量の高いスタートアップの難点は、その熱量が企業の調子がいいからこその高さだったりするところになります。なかには、「俺たちはすごい」と勘違いしてしまっている経営者もいたりしますが、それには腹は立てない方がいいです。腹を立てずに「熱量がすごい」と言い続ければ、相手も頑張ってくれます。

質問者1うまくおだてるくらいの気持ちも大事になりますか。

森岡そういうことです。

July_19_026

2/2

サウナで相手の人間性がみえる?

質問者2講談社という出版社で、女性メディアの運営をしていて、ニューズピックスのプロピッカーもしています碓氷早矢手と言います。

私もスタートアップと仕事をすることが多く、ときには出資もします。ただ、相手企業の見極めが非常に難しく、どう判断すればいいかを聞かせてください。

森岡私もはじめは、かなり失敗しました。今は会社の規模に関わらず、その企業の会計管理がしっかりしているかどうかを見るようにしています。

いくら売上が上がっていても、コストコントロールのできていない企業は、それから伸びなかったりします。特に大企業からすると相手が会計管理をしっかりしていない企業であれば、そこで対立が起こったりもします。その価値観が合うか合わないかが、相手を判断するポイントの一つです。

ほかにも、社長の性質は、極めて重要と言えます。私も様々な角度から相手を見ようとはしています。まずはビジネスシーンで会って、次に飲みに行って、その飲み方を見る。最後はサウナに行って、裸の付き合いですね(笑)。

July_19_034

質問者2サウナで相手の人間性までわかるものですか。

森岡実はわからないです(笑)。ただ、必ずサウナには行くようにしています。

質問者2様々なエピソードが出てくるので、やはりかなりの数のスタートアップを見てきたと思います。一つの投資を決定するまでには、何社ほど検討するのでしょうか。

森岡特定の企業に狙いを定める場合もあるのでケースバイケースですが、検討するときは2、3社の同業企業と見比べることはあります。

ただ、私たちが組むときは、以前からともに事業を行っているパートナー企業に声をかけることがほとんどなので、吟味するような時間はかけないことが多いです。全くの無関係の企業に声をかけるのではなく、以前から事業で付き合いのある企業がメインターゲットで、同業企業も確認してみるくらいです。

July_19_022

第3回は

*本イベントの様子は「NewsPicksアカデミア」にてをしております。ぜひご覧ください。